光触媒について

光触媒塗料は、汚染・脱臭・抗菌の優れた複合効果と環境に優しい安全性、さらに取り扱い面での簡便性やメンテナンスの省力化効果によって、すでに私たちの生活環境のあらゆる場面で幅広く利用されはじめています。

光触媒とは

そもそも、光触媒のしくみとは植物の行う光合成によく似ています。
光合成ては葉緑素を【触媒】に、光エネルギーを使って、水と二酸化炭素から酸素を作り出します。光触媒の場合は、酸化チタンなどの光触媒半導体金属を【触媒】に、光エネルギー(紫外線)を使って、空気中の水と酸素から活性酸素を作りだします。日本発の技術として環境分野でも注目されています。

  1. 酸化チタンに太陽光や蛍光灯等に含まれる紫外線が照射されると、酸化チタン内部で正孔(h+)と電子(e-)の分離(励起状態)が生じます。
  2. この正孔(h+)と電子(e-)はそれぞれ酸化力、還元力を持ち、酸化チタン表面に接触する物質と化学反応(酸化還元反応)を起こします。
  3. 一般に大気中の水(H2O)や酸素(O2)と反応を起こすと、さらに強力な分解力を持つ物質を酸化チタン表面に生成するとも言われています
  4. 光触媒とは、これらの化学反応によって生じる分解力を用いて、有害な物質を分解・除去・無害化する新技術です。

光触媒の基本原理

a002.jpg光触媒とは、酸化チタンなどの光触媒半導体を外壁などの基盤にコーティングし、太陽光や蛍光灯など の紫外線を当てることで、強力な分解力を持つ活性酸素種を発生させ、空気中の汚れやニオイなどを除去する技術です。

 

a003.jpg 酸化チタンに紫外線が当たると、電子と 正孔が発生し、電子が酸素をスーパーオキサイドアニオン(O2-)に、正孔が水をヒドロシキラジカル(・OH)という活性酸素に変えます。
この強力な酸化力を持つ活性酸素により、有機化合物が二酸化炭素と水に分解され、防汚、抗菌、脱臭などの効果を発揮します。

酸化チタンとは

a008.jpg酸化チタンとは、光触媒反応を行う金属として使用されており、人体に全く無害の金属・セラミックスで、白色顔料・歯磨き粉・クレオン・磁器原料・食品添加物などに幅広く利用されている安全な物質原料です。
この酸化チタンは、太陽光や蛍光灯の紫外線が当たることにより、活性酸素などを発生し、強い酸化分解作用(光触媒作用)を発揮する優れた機能を有していま す。 汚れや細菌・悪臭などが酸化されて分解し、最終的には二酸化炭素や水になります。 また親水性も高く、水滴の付着防止やくもり止め効果もあります。
光触媒酸化チタンが最も注目されている点は、化学的に安定し環境に無害であることと、クリーンな太陽光エネルギーや屋内の蛍光灯の光でランニングコストを かけることなく、常に安定した抗菌・脱臭が可能などセルフクリーニングを継続的に利用できる点にあります。

光触媒のメカニズム

光触媒分解反応

酸化チタンが触媒となって太陽または蛍光灯等から照射される光り(紫外線)エネルギーを吸収・利用 し起こる反応(抗菌・脱臭)=光エネルギーが不可欠=この反応は物質を分解してしまう現象です。例えば、有機物は二酸化炭素と水に分解されます。これは光 合成反応の逆で燃焼反応に相当します。しかし、光触媒反応では通常の燃焼反応とは全く異なり、燃焼反応ではいったん火がつくと物質がなくなるまで反応は続 きますが光触媒反応では、光があたるとき(照射される光の量の分)に光の量だけ反応が起こります。

光触媒の超親水性

親水化とは、ガラスなどの材料表面に水がよくなじむ現象です。多くの材料では、水を落とすと水滴がつきます。ところが、酸化チタンをコーティングした材料は紫外線をあてた(照射した)後では、その材料表面では水は水滴にならずに、ほぼ完全に拡散し広がってしまいます。
この現象は光触媒のもう一つの反応で、光親水化反応といいます。酸化チタンをコーティングした材料では、水がかかると汚れが簡単に洗い流されてしまった り、水滴が全くつかなくなる反応を利用して、人手をかけずに汚れを防ぐ防汚染効果(セルフクリーニング)が発揮されます。

処理前 処理後
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